「衣・食・住」日々の生活の中で、私の好きなもの事をご紹介しています。
時には身勝手な自慢話、時には耳より情報、時にはつまらぬウンチク話・・・
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◆ 花木さんの《ちりめん人形》 / 2004年 5月

ゴールデン・ウィーク、皆様は如何お過ごしでしょうか?
私は、数年前に小旅行に出かけ、渋滞に巻き込まれて悲惨な思いをしてからは、自宅で過ごすことに決めています。日ごろサボっている掃除や片付けもの、着物の虫干しや整理、レシピの整理etc・・・アッと言う間に時間が過ぎてしまいます。

最近、「鯉のぼり」を見かけなくなった思いませんか? 後片付けが大変だからと、幼稚園ですら飾らなくなったと聞いて驚きました。思えば、“端午の節句、子供の日の行事”よりも、“大型連休”の色が濃く・・・ 上巳の節句(雛祭り)も七夕も、お正月でさえもその感がありますが、本来の意味やしきたりをそっちのけに、単に“イベント”として捉えられているようで、少し、空しい気がします。

我が家には男の子がいませんので、立派な鯉のぼりや武者人形が飾られることはありませんが、毎年、生徒さんである花木さんの手作りの可愛い子供たちを、玄関先に飾っています。

生徒さんはじめ皆さん、口々に「まぁ、かわいい・・・」と、手に取ってご覧になられます。花木さんがお孫さんたちの成長を願って、一針、一針、心を込めて作った子供たちです。私は、花木さんのちりめん細工の作品を、数かぞえきれぬほど頂戴しているのですが、中でも、この《五月の子供たち》が、一番好きです。

本当に残念なことに、今年二月、花木さんは天国へと旅立たれてしまいました。あまりに悲しすぎる突然の出来事でした。私の事を娘のように可愛がり、応援して下さったのに、何一つ、ご恩返しの出来ぬままのお別れとなってしまいました。

こうして、花木さんの作品を手にしていると、「先生、頑張って・・・ネ」と、花木さんのお声が聞こえてくるような気がします。ほのぼのと温かい花木さんの作品を、これからもずっと大切に飾ってゆきたいと思っています。