
「衣・食・住」日々の生活の中で、私の好きなもの事をご紹介しています。
時には身勝手な自慢話、時には耳より情報、時にはつまらぬウンチク話・・・
ご感想、ご意見など、お寄せ下されば嬉しく存じます。
◆ 夜桜の着物
/ 2005年 3月
弥生、三月・・・ 春の訪れが待ち遠しい今日この頃ですが、今月に入り寒い日が多く、年々、早くなっていた桜の開花も今年は少し遅くなりそうですね。お花見の計画はたてましたか?
今月は、「自慢話」となり恐縮ですが、《夜桜の着物》を紹介させていただきます。桜・・・ 毎年、十日から二週間ほどのあいだ見事に咲いて人々をウキウキと楽しませ、ヒラヒラと潔くと散って初夏の訪れを告げる花。桜をデザイン化した着物や帯は多く見受けられ、限られた期間ゆえに、着物好きの人には“楽しみ”であり“贅沢”であろうかと思います。
右の写真は、実は全身、「戴きもの」! 着物、帯、帯揚げ、帯〆、一式全部です。戴いてから三年目のこの春、ようやく袖を通す事ができました。戴いた当初、何だか気後れしてしまい、「私が着るには、まだ、早いかなぁ」などと思う内に、無情にも桜の季節は過ぎ行き、気がつけば「また、来年に・・・」と、なってしまいました。(笑・・・)
私を娘のように可愛がって下さるお茶の先生が、7、8年前でしょうか・・・ ちょうど4月の月釜の当番に当たり、呉服屋さんでこの着物に「一目惚れ」! 「衝動買いしてしまってねぇ・・・」と、おっしゃりながら茶会の当日、数々のお道具とともにこの「晴れ着」もご披露。 お客様からも「先生、見事な桜。座らずに、どうぞ、立ったままでご説明を・・・」と、お声をかけられておいででした。 その当日、たった一日お召しなったその「晴れ着」を惜しげもなく、一式すべてを私に下さったのです。何とも有難く、お礼の言葉もありません。。。
墨染めの地に手描きの桜・・・ その桜の優しくて艶っぽいこと・・・ 私が気後れする所以です。 帯揚げもまた桜・・・ ご覧いただけますか? 桜色の地に金糸の流水模様が入り、その上に白とピンクの桜の花の刺繍が施されています。帯の中にその姿の大半を隠してしまい、わずかにしか見えない帯揚げにまで・・・ 帯〆も手組みで、全体を引き締める良い色です。 これぞ本物の“着物好き”“着物のおしゃれ”だと、つくづく思いました。
この春、勇気を出して?張り切って?勘三郎さんの襲名公演に着て出かけました。この着物を「着こなせる」女性になれるよう・・・努力したいと思います。
|