「衣・食・住」日々の生活の中で、私の好きなもの事をご紹介しています。
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◆ 木村 雅也子さんの紅型《布編》 / 2005年 2月

先月は、《木村 雅也子さんの紅型〜ぺーぱー編》をお伝えしました。 今月は紅型、本来の《布編》です。

写真は、三作とも帯です。左から、「椿」「梅」「花雛」の図柄、結城や大島などのおしゃれ着にピッタリの染め帯です。

先月もお話したように、木村さんの作品の特長は「お色」です。
「椿の帯」には何色もの色が含まれていて、どの色の着物にも合います。微妙な色の混ぜ具合と組み合わせ。その配置のバランスの良さは、すなわち、彼女のセンスの良さだと思います。
「梅の帯」は、私のイメージにピッタリだとお持ち下さった帯です。「梅の図」ゆえに1月と2月にしか締めることの出来ない帯です。つまり、極寒の頃に締める帯なのに、寒色をベースとしているところが、実に木村さんらしい!と思います。朱色のアクセントが効いています。
「花雛の帯」を、お雛様だと気付いて下さる方が少ないのは残念な事ですが、これを人形の型のお雛様にせず、あえて花の型で表現するところが、これまた、木村さんのセンスですね。昨年、三月の稽古茶事で木村さんが亭主をなさった折に、記念にとお作りになったそうです。茶事終了後、脱いだ帯を「どうぞ・・・」と、私に置いて帰って下さいました。

右の写真は、「花車」の図の額装です。
数年前、ご主人様と共に開いておられるクリニックを建替えられた際に、新しい医院の待合か受付かに飾りたい!と、何枚かお作りになられたそうです。その中の一枚を「かなりの場所を要する作品なので・・・ 良ければ、お教室に」と、またまた、頂いたものです。
様々なお花が描かれているので、一年を通じて掛けることの出来る額ですが、この華やかさからお正月と、秋(10月半ば〜11月にかけて)の教室の壁に飾らせていただいています。

「医者にならなければ、染色家になりたかった。」と、おっしゃる木村さん。「落ち着いたら(お子さんの手が離れたら)、今一度、染色の勉強をするつもりです。」とも・・・
「素人の趣味だから・・・」と、謙遜されますが、木村さんの「色使い」には感服です。