「衣・食・住」日々の生活の中で、私の好きなもの事をご紹介しています。
時には身勝手な自慢話、時には耳より情報、時にはつまらぬウンチク話・・・
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◆ 中辻さんの《千枚漬け》 / 2008年 1月

 

実は私は裏千家学園に入るまで「お漬物」が苦手で、自分からは好んで口にすることはありませんでした。 今にして思えば何て勿体無い? 日本人としては何て可愛そうなことでしょう。。。

学園の食堂で最初に山積みにされている「たくあん」を見た時には、逃げだしたい気分でした。 子供のころ、市場に行っても漬物屋さんの前は鼻をつまんで通るほど、お漬物の臭いが苦手でした。 実は今でも「古漬け」は好みません。(笑) 私の洋服を作ってくれていたNさんの影響です。  彼女のすることは何でもお洒落でスマートでカッコいいもの!と、思っていましたから… お漬物嫌いの彼女の真似をしていたかったのだろうと思います。

学園では日々の食事の「漬物」は無視できても、授業である茶事の中での「香の物」を学ばなければいけませんでした。 以前にもこのホームページのどこかでお話したように、先輩達から魚は○○、八百屋はどこ、味噌は△△…と 「茶懐石」に向く食材店を教えられます。 「漬物」に至っては「沢庵」はどこ、「葉物」はどこ、「しば漬け」はどこ… と、種類によって美味しいとされるお店が決まっていました。 客に入っても水屋に入っても好んでは食べず、とにかく味見程度にしか頂きませんでした。(笑)

こうして「漬物」に慣れ親しんでいくうちに、目覚めました! 「漬物」の美味しさに! (笑) 

“中辻”さんの《千枚漬け》に出会ったのは学園卒業後の事ですが、学園の時に先輩に教えられたお店のものよりは、少し甘くて私の好みです。 酸っぱ過ぎず甘過ぎず、塩の加減もきつ過ぎず… “つまみ”にもなりご飯もすすみます。京都には有名な漬物店が多々ありますが、《千枚漬け》はここに決めています。 もちろん他の「漬物」(千枚漬け以外)も美味ですが、私は特に《千枚漬け》のファンです。 年末年始には欠かせないご馳走です。