「衣・食・住」日々の生活の中で、私の好きなもの事をご紹介しています。
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◆ 黒川本家の葛粉 / 2006年 6月

6月に入り衣替えと同時に、お菓子の世界もにわかに「夏の風情」となりますね。洋菓子店にはゼリーやムースのお菓子が並び、和菓子店の店頭には「わらびもち」や「くずまんじゅう」といったポスターの文字が目立ちます。

夏の和菓子には、《葛》と《寒天》は欠かせません。そこで今月は《葛粉》です。

最近は食品の成分表示がうるさくなり、袋の裏面を見れば混ざり物(甘藷の澱粉)の有無がすぐにわかるようになりました。和菓子に使う《葛粉》は、葛100%の《本葛粉》を使いたいですね。

《葛粉》とは葛の根から取る澱粉のこと。葛根をおろし何度も寒の水に晒して精製し乾燥させた粉の事です。《吉野葛》とも呼ばれるように奈良県吉野産のものが最良とされていますが、九州や長野のものもあります。《吉野葛》という表示が許されるのは、吉野地方のもので葛根からとった澱粉のみ!だと聞いています。

また、《本葛粉》の中にも、一番葛、二番葛、三番葛とあり… つまり、最初の葛粉〜二番煎じ、三番煎じの葛粉という意味です。同じ《本葛粉》と表示されていても(混ぜ物が無くても)お値段に随分と差があるのは、そのせいではないでしょうか。。。「白いダイアモンド」と呼ばれるほどに、和菓子の材料の中では特別に高価(国産の本蕨粉を除き)な粉です。

私は、黒川さんの《吉野葛》を使っています。

《吉野葛》であっても、お店(製造元)によって随分と味や香りが異なります。本当に驚くほど差があります。これは、産する土地の違いなのか?製法の違いなのか? 私には解りませんが、ともかくお菓子への影響も“大”です! 黒川さんの《吉野葛》は、嫌なクセが無く、真っ白で滑らか… 口当たりも香りも良くて本当に美味しいと思います。