「衣・食・住」日々の生活の中で、私の好きなもの事をご紹介しています。
時には身勝手な自慢話、時には耳より情報、時にはつまらぬウンチク話・・・
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◆ 富起屋の色紙塩昆 / 2007年 11月

 

先日、新聞で大阪の「神宗」さんが来年1月から、一部の店舗(百貨店内の売り場)を休止し、さらにその他の百貨店の売り場においても昆布の角切りを使用した商品の一時的な販売中止のお知らせの記事を目にし、とても驚きました。理由は、質の良い昆布が手に入らず商品の供給が困難になると予想されるから。とのことでした。

食品の偽装問題が連日報じられる中、何とも潔い、ある意味何ともタイムリーで見上げたプロ意識だと感じ入ったのと同時に、私が驚いた理由は、実は、今月のお気に入りに「昆布の佃煮」を紹介したいと思っていたからです。(苦笑)

関西(上方)には塩昆布の老舗、昆布の佃煮の有名店が数多くありますが、私が最も気に入っているのは京都、富起屋さんの「色紙昆布」です。とは言え、自宅用に買い求めることは稀で、たいがいがギフト用か、来客用です。 自宅用の昆布佃煮はもっぱら教室で使った出し昆布に実山椒を加えて炊いたクタクタの再利用品になってしまいます。(笑) 

写真からご覧いただけますか? 5センチ角の見事な正方形をしています。 恐らく大きなまま炊き上げた昆布を5、6枚重ねてカットするのでしょう。 気持ちよく“きれい”です。 お味も辛くなく上品で、程よい柔らかさです。 見た目に美しくお味も良い! 申し分ありませんね。。。 

富起屋さんは元々「昆布屋さん」ではなく「佃煮屋さん」だそうです。なのでの他にも鰻の時雨煮とか松茸や椎茸の佃煮、筍などの季節ものの佃煮など様々な商品があります。 が…私はこのキリリとした「色紙昆布」が好きです。

そして進物用の包装紙がまた洒落ています。 内側が京都の街を手描きした地図になっていて、当然、「うちはここ」と印してあるのですがよく見ないと分からない程度の謙虚さです。京都の行事の一覧もついていて… 京都をよく知らない人には実に楽しい地図だと思います。