「衣・食・住」日々の生活の中で、私の好きなもの事をご紹介しています。

時には身勝手な自慢話、時には耳より情報、時にはつまらぬウンチク話・・・

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◆  ウエッジウッドのティーカップ / 2010年 11月

 

仕事柄、陶磁器が好きです! 
でも実は、これはお茶や料理に携わる以前から… つまり子供の頃からなのです。 私が小学校の頃に「食器の頒布会」が流行っていました。 母は、そうしたものには興味を示す人ではありませんでしたが、ある時、新聞の広告でとても素敵な和食器の頒布会のチラシを見つけ、母に「うちに無いものが沢山入っているから、これを揃えようよ!」と持ちかけたのです。 子供が母親に!です。(笑) 母は何を納得したのか何が気に入ったのか… 素直に聞き入れてくれ、我が家では今でもその食器達を大切に使っています。

衝動買いした食器は数々ありますが、極めつけは今月ご紹介する「ウエッジウッドのティーカップ」です。 私が買い求めた時に、既に廃番になっている図柄でした。 紫色に近い深い青と金色が何とも奇麗で… アンティークまでは行かなくても「今はもう手に入らない」という言葉にも… 乗せられたかも知れません。 

ケチな私は、購入後、勿体なくてこのカップを日常に使う事ができませんでした。 だからと言って「特別なお客様」があるわけでなし… あるいは客人の折には、つい緑茶かコーヒーになってしまったりで、なかなか出番がありませんでした。 すると数年後、ほとんど使ってもいないのに… ソーサーの中心に向かってきれいなヒビが入り隙間が空いたように割れたり、ソーサーの底の部分に丸くヒビが入って底が抜けたように割れてしまいました。 大慌てでウエッジの専門店に持ち込みましたが「取り扱いが無い商品」という事で受け付けてもらえませんでした。 そんな事で… ほとんど使わぬうちに2つがパアになりました。 宝の持ち腐れとはこの事ですね。 今残っているのは4客だけです。

それからは惜しみなく…です。 金が剥げようと、傷が付こうと、お構いなし!に決めました。(笑) 茶道具と同じです。 飾っておいても使わなければ意味がありませんものね。 が、実際に使ってみると、このカップ、紅茶の色がよく分かりません。 色を楽しむには不向きでした。 あと、もう一つ! 我が家の銀のスプーンが合いません! 金食のスプーンを探してみましたがピッタリくるものが見つかっていません。 もしかしたら本当に、使う器ではなく装飾の器なのかも知れないですね。 衝動買いとは、こんなものですね。(笑)

秋の夜長… 残念ながら今年はこのカップでお茶を楽しむ余裕がありません。 洋の東西に関係なく、そもそもお茶は上流社会のものだったのだと改めて感じた事でした。 時間にも気持ちにも、あるいは飾る場所にも… ゆとりのある人が楽しむ器です。 やっぱり私のような庶民には、分不相応の食器でした。 (笑) ただ… これを眺めていると、なんとなく優雅な気持ちになれる「お気に入り」であるのも事実です。